新型コロナウイルスのエアゾル感染と清掃作業の見直し

新型コロナウイルスのエアゾル感染と清掃作業の見直し

今、感染拡大を防ごうと国や各方面の専門家や研究所、各企業が必死に頑張っています。

弊社も微力ながらお手伝いさせて頂いています。

 それでも残念ながら、少しづつ感染が広がって状況です。

いち零細企業のいち個人としての感じたことを述べさせて頂きます。

1.エアゾル感染はあるのか?ないのか?

 一般的に飛沫感染や接触感染があると言われていますが、エアゾル感染についての研究報告はされていません。

しかし、私は「ある」と感じています。飛沫や接触部分が乾燥しますと室内の空気の動きによって空気中に浮遊すると思っています。浮遊したウイルスは、時間とともに床に落下してきますが、また、その部分を掃除機掛けしたり歩行することにより舞い上がると思います。

よって、ウイルスが不活性化してなければ安全ですが、活性化状態での浮遊していたりや舞い上がったウイルスを直接、吸引することは感染する危険が高いと思います。

2.どうやって感染リスクを回避するか。

a.手洗いの徹底と手の消毒、マスク着用

当初から言われている手洗いの徹底に加え、アルコール消毒、マスクの着用を心がけてください。

衣類には、除菌スプレーなどを吹き付けるとよいでしょう。

b.換気のをこまめにおこなう

室内の空気を入れ換えることが大切です。

c.拭き掃除時にマイクロファイバークロス導入

拭き掃除で効果があるのは、マイクロファイバークロスが「医療機器清拭効果に効果がある」と言われています。

※参考:マイクロファイバー素材クリーニングクロスによる医療機器清拭効果について 北里大学病院MEセンター部

よって、清掃をする時は、ゴム手袋を着用し、アルコール系や塩素系の除菌剤をマイクロファイバークロスに吹き付けて対象物(扉・ドアノブ・手摺り・デスクなど)の拭き掃除をされると良いでしょう。1日使ったマイクロファイバークロスには、多数の菌類が付着しているので、十分に洗濯をするか交換破棄してください。

 

 清掃を業者に委託している企業は、清掃業者の担当者と打合せをして新型コロナウイルスの感染が広がっている期間だけでも業務委託している作業仕様(清掃頻度や使用資材)を見直しして頂くとよいでしょう。

マイクロファイバークロスは、一般的な清掃用タオルよりも単価が高いですし、作業仕様変更に伴い清掃業務委託料金も変わるかもしてませんが、清掃のプロの意見を聞きながら清掃仕様の見直しも必要かと思われます。

3.清掃範囲とそのカラーリングの作成

 平面図をご用意いただき、重汚染・中汚染・軽汚染エリアを色分けして、エリア汚染度に応じた清掃頻度や作業回数を見直しましょう。重・中汚染エリアには、アルコールなどの消毒剤を設置したり、マットを敷いたりするのが良いと思います。

もっと、徹底を図るなら、出入口に赤外線カメラを設置して出入りする方の温度を監視して、体温が高い人には呼び止めて、体温測定に協力していただくのも良いでしょう。

 

2/24追記

 本日の記事を読んで驚いたのは、新型コロナウイルスが便や尿から排出されていると中国の専門家チームが発表したことです。

ということは、誰しも使用するトイレの衛生環境をしっかり整えるべきであり、トイレを重汚染エリアとしてマークし、除菌の徹底をはからなければ、健康な方にも感染する恐れがあります。

また、感染リスクを回避するためにはトイレ清掃に従事している清掃スタッフにも予防策の徹底が急務です。

感染者の部屋やトイレに新型ウイルス残留、清掃すれば死滅 研究報告 3/12追記(3/5AFP記事より)

 新型コロナウイルス感染者が使う部屋やトイレが広く汚染されるというシンガポールの研究報告が4日、米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された。手などが直接触れるところや洗面台、便器の定期的な清掃の必要性を明確に示している。

 

 しかし、手などが直接触れる部分は1日2回、床は1日1回、一般的な消毒剤を使って清掃すれば新型コロナウイルスは死滅するという。このことは、きちんと行いさえすれば、現在行われている汚染除去方法で十分であることを示唆している。

 科学者の間では新型コロナウイルス感染症の伝染について、せきによる感染よりも、環境の汚染が重要な要因だと考えられているが、どの程度重要なのかは明らかになっていなかった。

4.感染者が発生した場合の対応

 万一、感染者が発生した場合には、その方が執務したエリアと動線部分は一時的に封鎖して専門業者に除菌をしてもらいましょう。専門業者は、防護服・ゴーグル・マスク・手袋を着用し適切な除菌を実施してくれます。

※ただ今は、マスクや防護服が高騰しているので、それなりの費用はかかってしまいます。

5.最後に。。。

 ここまで全国で感染者が出ている状況では、今まで通りの清掃方法では、公衆衛生上、建物内の衛生環境保持も難しくなってきました。

先手先手で対応していくには、感染がおさまる期間だけでも、感染に対応した建物の清掃作業の見直し検討も図っていくのが賢明かもしてません。

 

 除菌作業は、費用・時間ともにコストがかかります。

それを回避するためにも清掃業務における作業内容の見直しがとても大切かと思います。

ジョイテック株式会社 山口英雄

東京都職業訓練指導員(建築物衛生管理科)

建築物清掃管理評価資格者(ビルクリーニング品質インスペクター)
ペストコントロール1級技術者
【公益社団法人日本ペストコントロール協会認証】