吸血トコジラミ(南京虫)健康被害急増中!2020年問題

 

最近、トコジラミの駆除依頼が急増しています。


ひと昔前は、宿泊施設からの依頼があったのですが、最近は一般住宅などからの依頼が多くなってきました。旅行などでたまたま宿泊した部屋からバッグや衣類に付着してお客様の住宅に持ち込まれる例が多くなってきています。
トコジラミは、人の血液を吸います。刺された方は赤く斑点になり強いかゆみに襲われます。その場合は専門医に相談してください。
健康被害が生じますが、感染症とは異なるので適切に害虫駆除がされれば、問題ありません。

トコジラミの生息調査から駆除まで

当社では、ケミカル(適正な駆除剤)+ノンケミカル(スチームなど)による駆除をおこなっています。


【生息調査】
トコジラミは、人やペットを吸血をし生息場所には、血糞をします。
業者によっては、探知犬を導入していますが、紫外線ライトを照射することにより微細な痕跡を発見することが出来ます。血液はタンパク質であり、糞などで排出されるとアルカリ性塩となります。これは、紫外線ライトに反応するので、暗い場所で照射すると白い点状に確認することができます。
※紫外線を直接目や皮膚に触れないようにして下さい。
また、トコジラミは他の個体の集合ホルモンに強く引き寄せられる習性があり集まっていることが多々あります。


【ケミカル法:薬剤噴霧】
トコジラミの駆除には、海外でピレスロイド剤が有効とのことで多用されていますが、それらトコジラミには、ピレスロイド剤に対する薬剤抵抗性が1000倍・10000倍あるとされています。よって、ピレスロイド剤が効かない場合も多く、有機リン剤やカバーメイト剤も同様な効果もあると言われているので、これらの薬剤による殺虫も効果的です。
当社では、これらの薬剤をミクロン状の微粒子にして室内に噴霧(ULV法)することにより、薬剤が行き届かない場所や細部までカバーし、繊維の編目にも薬剤を付着させることが出来ます。


【ノン・ケミカル法:高温スチーム】
多くの防除業者が駆除におこなっている方法です。
100℃の熱に触れるとトコジラミの成虫は死滅します。よって、対象箇所を十分に掃除機等で吸塵したあとに業務用スチーマーにて床や壁、カーテンなどの熱処理が効果的です。
昼間は、暗い場所などに潜んでいるので、畳の下や収納内部の隅にいることがあり日中は、探すのが難しいという点があります。

「今日から出来る」トコジラミに刺されない為の対策

●完全に駆除が完了するまでは、夜間でも照明を消さない。【健康被害防止】
●布団カバーは、糊付けをして、繊維の編目を糊で埋めることにより寝具からの出入りや卵の布団への侵入を防ぎます。【健康被害防止】
●寝具より離れた場所に紙皿を置き、その中心にドライアイス(炭酸ガス)を薄紙に包みトコジラミを誘引することができます。紙皿には、トコジラミ用の駆除剤を噴霧しておくと良いでしょう。【健康被害防止・簡易駆除】
●一般の家庭で行う場合は、アイロンのスチームを対象物にあてる。【簡易駆除】
●空調温度を15℃以下することにより、卵の孵化を送らせる。【繁殖の抑制】

 

ただし、これらは根本的な駆除対策とは言えませんので、早めに専門の防除業者にご相談されることをお勧めいたします。

トコジラミの2020年問題と課題

2020年は、オリンピックが開催され、多くの外国人が来日することから、衣類や荷物に付着してトコジラミも持ち込まれると予想されています。前述のようにその中には薬剤抵抗性の個体もいるので、市販品での駆除を難しくしています。
よって、万一、トコジラミが発生した場合は、専門の害虫防除業者に相談されるのをお勧め致します。2020年以降の発生環境や地域・件数などに注視しながら、我々防除業者も駆除方法を探求していく必要があると考えています。



ジョイテック株式会社 山口英雄
ペストコントロール1級技術者
【公益社団法人日本ペストコントロール協会認証】