豪雨で浸水被害にあったら必ず消毒しよう!消毒の方法と対応について①

豪雨で浸水被害にあったら必ず消毒しよう!消毒の方法と対応について①

              医師 医学博士 (社)日本環境感染学会正会員 佐賀信之氏監修

 近年、集中豪雨や台風による深刻な被害がニュースでしばしば取り上げられます。気象の温暖化に伴ってゲリラ豪雨など局地的に大変な雨水被害に会う事も珍しくありません。

 

 

 



 もし、水が床下や床上にまで上がってきたなら、家屋にまで被害が及びます。家電製品や家具が使えなくなってしまったり、床や畳などの張替えが必要になったりすることがあるでしょう。ただ、こういった目に見える被害ばかりでなく、目に見えない雑菌などの影響にも気をつけなくてはいけません。河川が氾濫してきたり、膨大な雨水のため側溝が水の容量に耐えられなくなってあふれたりすると、下水や生活で使用された汚水が屋内に流れ込んできてしまうことがあるからです。

 

 

浸水被害にあってしまったら。。。

 浸水被害に遭って水が引いた後、まず行うこととしては、泥などの汚れや外から侵入してきたゴミなどを除去することです。ガスや電気配線に異常がないか確認のうえ、厚手のゴム手袋などをつけて作業しましょう。家の中に湿気が溜まっている可能性があるので、晴れていれば、窓を全開にして湿気を飛ばしましょう。

 



床下に汚泥や流れこんだ木などがあればスコップでかき出します。床下に水分が残る場合には、出来る限り水分を除去し、乾燥させることが大切です。そのままにしてしまうと、床上浸水していなくても湿気によって室内にカビや悪臭が生ずる原因になります。

 


床上浸水した場合には、濡れた畳や敷物などを撤去し、汚れた床や壁などは水道水など綺麗な水で水拭きをしましょう。水にぬれても平気な硬い床やプラスチック、金属等は食器用洗剤を使っても良いかもしれません。食器や調理器具、家具や家電製品など、浸水してしまうと使えなくなる物もありますが、使うものについては一緒に綺麗にします。衣類については、消毒してから洗濯してください。(80度の熱湯に10分つけるか、塩化ベンザルコニウム溶液に30分ひたします)

 

 ゴミや壊れ物を片付け、大きな汚れを落とした後は消毒になります。普段家の中にいないような細菌が水と一緒に家屋内に侵入している可能性があります。それらによる一般的な細菌感染症や食中毒、普通なら土壌や動物から感染するような破傷風やレプトスピラなどの発生が心配されるからです。

消毒前の準備として、まずはドアや窓を開けて換気をするようにしましょう。また、長袖・長ズボン・メガネ・マスク・ゴム手袋を着用して、汚染物や消毒用薬品が皮膚に触れないように気をつけます。もしも薬品が目に入った場合には水で15分以上洗い流し、医師の診察を受けるようにしてください。薬品は小さいお子さんの手の届かないとこに置くなど細心の注意を払います。薬品を小分けする場合でも、飲み物のペットボトルに移し替えるのは止めて下さい。誤飲のもとになります。